クライアントのSNSアカウントを、パスワードなしで預かる方法:接続リンク入門
接続リンクを使えば、パスワードを共有せず、Shagerのアカウントも作らずに、クライアントのSNSへの投稿権限を受け取れます。

クライアント接続リンクとは、代理店がクライアントに送るリンクです。クライアントはこのリンクから、自社の Facebook ページ、Instagram プロアカウント、YouTube チャンネルを代理店のワークスペースに接続できます。ログインは各 SNS 上で本人が直接行い、アクセスを許可するだけ。パスワードを共有することはなく、Shager のアカウントも必要ありません。AI エージェントを使う代理店にとっては、認証情報はクライアントの手元に置いたまま、オンボーディングの準備をエージェントに任せられるということでもあります。
代理店とクライアントの関係は、オンボーディングでつまずくことがよくあります。最初の1週間が、どのページの管理者が誰なのかを確認する電話、チャットで送られてくるパスワード、誰かの古いスマホに届いた二段階認証コードの対応で終わってしまう。接続リンクは、その1週間をメッセージ1通で済ませるための仕組みです。
信頼できるクライアントでも、パスワード共有が問題なのはなぜですか?
セキュリティ上の理由は昔からよく知られています。OAuth 2.0 の仕様書 RFC 6749 は冒頭で、第三者がユーザーのパスワードを持つと何が起きるかを挙げています。第三者はそれを保存しなければならず、必要以上に広い権限を持つことになり、持ち主は全員分のパスワードを変えない限り、特定の第三者のアクセスだけを取り消すことができません。
代理店の場合は、さらに実務上の問題が重なります。パスワードは退職するスタッフと一緒に出ていきます。新しい端末や場所からのログインは SNS 側のセキュリティチェックを発動させ、クライアント本人が締め出されることもあります。そして何か問題が起きても、全員が同じログインを使っているので、誰が何をしたのか分かりません。
こうした問題を解決するのが、委任による認可です。Google のドキュメントは、同社の API が OAuth 2.0 をどう使っているかを説明し、アクセストークンはそのスコープに含まれる操作とリソースにしか使えないと述べています。クライアントは特定のアクセスだけを承認し、自分のアカウント設定からいつでも取り消せます。

接続リンクは、どんな流れで動くのですか?
クライアント側の手順は短く済みます。
- 代理店から届いたリンクを開きます。
- SNS を選びます。Facebook、Instagram、YouTube、X、LinkedIn、TikTok のいずれかです。
- 代理店が用意したフォームではなく、その SNS 自身のページでログインします。
- 接続するページ、アカウント、チャンネルを選び、権限を承認します。
- 接続されたアカウントが、代理店のワークスペース内のそのクライアントに表示されます。
代理店側では、クライアントに代わって何かを入力する必要はありません。アカウントはチャンネルとして表示され、すぐにグループ分けや投稿先の指定に使えます。
エージェントはどうやって接続リンクを作るのですか?
Shager はこの機能を、MCP サーバーの create_connect_link ツールと REST の操作として提供しています。エージェントが初日に実行できるオンボーディングの流れは次のとおりです。
whoami confirm the key belongs to the agency organization
create_workspace "Copperline Coffee"
create_connect_link for the new workspace, returns the link to send
(wait for the client to complete the flow)
list_channels confirm which accounts were connected
create_group "All cafes", "Instagram only", by region if useful
エージェントへのプロンプト例です。
New client: Copperline Coffee, 14 cafes, Facebook Pages and Instagram.
Create a workspace, create a connect link, and draft a short email to
their marketing lead explaining what the link does in plain language.
Mention that they will sign in on Facebook and Instagram directly and
won't share any password with us. Do not send the email; give it to me.
Tomorrow, check which channels are connected and propose groups by city.
ひとつ制約があります。エージェントが自分で登録したサンドボックスでは、人が引き継ぐまで接続リンクを作成できません。これは意図的な仕様です。他人のアカウントへのアクセスを求める行為は、責任を持つ人にたどれるべきだからです。引き継ぎの手順は、エージェントの自己登録と引き継ぎの記事で説明しています。
クライアントへのメッセージには何を書けばよいですか?
SNS アカウントへのアクセスを求めるリンクに、クライアントが慎重になるのは当然です。リンクに添える一文が大きな役割を果たします。短く、具体的に書きましょう。
Hi Dana,
Here is the link to connect Copperline's Facebook and Instagram accounts
to our publishing workspace: <link>
You'll sign in on Facebook and Instagram directly, choose which cafe
accounts to connect, and approve publishing access. We never see your
password. You can remove our access at any time from your account settings.
It takes about five minutes. If a cafe account is missing from the list,
it usually means your login doesn't have full control of it; tell us and we'll help.
最後の段落が、最もよくある問い合わせを未然に防ぎます。クライアントが接続できるのは、自分のログインに十分な権限があるアカウントだけです。店舗ごとに別の担当者がページを管理している多店舗ブランドでは、複数の人にリンクを開いてもらう必要があるかもしれません。

SNS 自体が用意しているパートナーアクセスとは、どう使い分けますか?
各 SNS には、Meta のビジネスツールでビジネスポートフォリオ間にアセットを共有する機能など、代理店向けのアクセス手段があります。広告運用やチーム管理には便利で、両方を併用している代理店も多くあります。接続リンクはもっと範囲が狭く、そのアカウントで公開、予約、結果の取得を行うために投稿プラットフォームが必要とするアクセスだけを付与します。自社ブランドで投稿が出ればそれでよいというクライアントには、たいていこちらのほうが簡単です。
アクセスを変更する必要が出たら、どうなりますか?
よくある状況は3つです。
クライアントが店舗を増やしたときは、同じ種類のリンクをもう一度送れば、新しいアカウントを接続してもらえます。あとはエージェントが適切なグループに追加できます。
クライアントとの契約が終わるときは、クライアント側でアクセスを削除し、代理店側はワークスペースからチャンネルを外します。変更すべきパスワードはありません。
トークンが使えなくなったとき(SNS 側でパスワードや権限が変更された後などに起こります)は、チャンネルの再接続が必要です。Google の OAuth ドキュメントでも、アプリケーションは発行済みのリフレッシュトークンが使えなくなる可能性を想定しなければならないとしています。毎週エージェントに list_channels でクライアントの想定アカウント一覧と照合させ、失敗した投稿を get_post で確認させれば、早い段階で気づけます。
これがエージェントとどう関係するのですか?
エージェントによる配信は、整理されたアクセスがあってこそ成り立ちます。40 件のクライアントページへの接続が共有パスワード頼みなら、エージェントはその脆さをそのまま引き継ぎます。クライアント自身が許可した接続であれば、各チャンネルは一覧化、グループ化、監査、取り消しができる明確な権限になります。これが、代理店の運営モデル全体を支える土台です。
よくある質問
接続リンクを使うのに、クライアントは Shager のアカウントが必要ですか?
いいえ、必要ありません。クライアントはリンクを開き、SNS でログインしてアクセスを承認するだけです。Shager のアカウントを作ることも、パスワードを共有することもありません。
接続リンクはどの SNS に対応していますか?
Shager が対応しているすべての SNS です。Facebook ページ、Instagram プロアカウント、YouTube チャンネル、X アカウント、LinkedIn の個人プロフィール、TikTok アカウントに対応しています。TikTok は利用可能ですが、TikTok のアプリ審査が完了するまでは、投稿先は非公開アカウントに限られ、投稿も非公開として公開されます。LinkedIn の会社ページは、LinkedIn の Community Management API の承認待ちです。
AI エージェントが自分で接続リンクをクライアントに送ってもよいですか?
引き継ぎ済みのキーを持つエージェントなら、リンクを作成できます。ただし、送るのは人が個人的なひとことを添えて行うことをおすすめします。アカウントへのアクセス依頼は、クライアントが知っている人から届くべきだからです。
まずは次のクライアント用にワークスペースを作り、ダッシュボードからリンクを生成してみてください。エージェント向けページで紹介している MCP サーバー経由で、エージェントに作らせることもできます。


