コンテンツカレンダーを止めない、クライアント承認フローの作り方
機能するクライアント承認の作り方。承認が必要なもの、明確な期限、メールのやり取りに代わる承認リンク、返事のないクライアントへのルール。

エージェンシーなら誰もが知っている瞬間があります。カレンダーは組み終わり、動画の編集も済み、キャプションも書き上がった。あとはクライアント側の「承認者」を待つだけ。1日が過ぎ、また1日が過ぎ、ようやく夜10時にメッセージが届きます。修正は3点、そのうち1つは先週合意した内容と矛盾している。
クライアントの承認は、正当で必要な仕事の一部です。問題は承認そのものではなく、誰もプロセスを決めていないことです。この記事では、クライアントとそのブランドを守りながら、エージェンシーが身動きの取れない状態にならない承認フローを紹介します。
承認が滞る理由
たいていの場合、クライアントが乗り気でないわけではありません。承認が滞るのは、次のような理由です。
- 何を承認すればいいのかがはっきりしない。 40件の投稿が並んだスプレッドシートを受け取っても、どこから手をつければいいのかわかりません。
- フィードバックがあちこちに散らばる。 メールで少し、チャットで少し、電話で少し。どれが最新版なのか誰にもわかりません。
- 期限がない。 「お手すきの際にご確認ください」は「今ではない」という意味です。
- 承認者が多すぎる。 全員がコメントを足し、誰も決めません。
- 実際の見え方で投稿を確認できない。 ドキュメントの文章とフォルダーの画像では投稿に見えないので、決断しにくくなります。
どれも気合いの問題ではなく、プロセスの問題です。

クライアントが承認すべきもの、すべきでないもの
これがいちばん重要な問いで、いちばん問われることの少ない問いでもあります。エージェンシーが数十のアカウントに投稿する場合、すべての投稿を個別に承認していては回りません。承認のレベルを最初に決めておきましょう。
よくある3つの承認レベル
| レベル | 承認するもの | 向いているケース |
|---|---|---|
| キャンペーン単位 | メッセージ、オファー、CTA、メインのクリエイティブ | 似たアカウントを多数持つクライアント |
| 週次カレンダー単位 | その週の全投稿を1画面で | 投稿量が中程度のクライアント |
| 投稿単位 | すべての投稿を個別に | センシティブな業界や規制のある業界 |
リード獲得を手がけるエージェンシーの仕事の大半では、キャンペーン単位の承認が適しています。クライアントはメッセージとクリエイティブを承認し、バリエーションとアカウントごとの調整はエージェンシーが責任を持ちます。これは契約の開始時に書面にしておきましょう。
必ず明示的な承認が必要なもの
- 価格、割引、オファーの条件
- 効果、品質、競合についての表現
- 実在の人物、スタッフ、お客様の写真
- 健康、金融、不動産など、規制のある分野のコンテンツ
メッセージのやり取りではなく、1本の承認リンクで
いちばん大きな改善は、承認をメールやチャットから切り離すことです。画像や動画、キャプション、予約日時とともに、投稿が実際にどう表示されるかをクライアントが確認できる専用の承認リンクがあれば、状況はがらりと変わります。
必要なのは次のものです。
- 文章とメディアがばらばらではない、投稿の本物のプレビュー
- 「承認」と「修正が必要」のボタン。コメントは該当する投稿に紐づける
- クライアント側での登録もパスワードも不要。手順が1つ増えるごとに、返信率は下がります
- 監査の記録:誰が、いつ、どのバージョンを承認したか
フィードバックはすべて1か所に、該当する投稿に紐づいた形で残ります。あとから「でも言いましたよね」と揉めることもありません。
守られる期限の決め方
承認の期限を設けるのは失礼なことではありません。コンテンツカレンダーが現実とぶつかっても生き残るには、それしか方法がないのです。
実践的な目安
- 承認依頼の送付:その束の最初の投稿の、少なくとも3営業日前
- 承認の締め切り:公開の1営業日前の、決まった時刻
- 修正の回数:1回までは含む。2回目の修正が入ったら、そのぶん予定をずらす
数字は各エージェンシーで調整してください。大事なのは、それが書面になっていて、合意されていて、どの承認依頼にも明記されていることです。

クライアントから返事がないとき
ほとんどのプロセスが崩れるのはここです。締め切りを過ぎたらどうするかを前もって決め、クライアントと合意しておきましょう。
よくある選択肢は次のとおりです。
- 投稿しない。 いちばん安全ですが、アカウントが沈黙し、キャンペーンに響きます。
- そのまま投稿する。 キャンペーンが承認済みで、投稿がそのバリエーションである場合にだけ適しています。
- 事前に承認済みの予備コンテンツを代わりに投稿する。 価格や効果の表現を含まない「定番」の投稿を、予備として使うためにクライアントに一度承認してもらっておくものです。
たいていは、3つ目がいちばんよい落としどころです。カレンダーが空になることはなく、クライアントが見たことのないコンテンツに驚かされることもありません。
委員会ではなく、承認者は1人
クライアント側の5人が同じ投稿にコメントすると、エージェンシーは意見の調整役をするはめになります。クライアントには、アカウントまたはアカウントのグループごとに承認者を1人決めてもらいましょう。その人が社内のフィードバックを取りまとめ、1つの答えを返す責任を持ちます。
ほかの関係者にも閲覧用に承認リンクを送って構いませんが、最終判断は1人に任せます。
承認フロー構築のチェックリスト
- クライアントごとに、承認レベルを書面で合意している
- 必ず明示的な承認が必要なコンテンツの種類を定めている
- クライアントまたはアカウントのグループごとに承認者が1人いる
- 承認はメッセージではなく、プレビューリンクで行う
- どの承認依頼にも明確な期限が書かれている
- 期限を過ぎた場合のルールが決まっている
- 事前に承認済みの予備コンテンツのストックがある
- 各バージョンを誰が承認したかの記録が残っている
まとめ
よい承認プロセスは、仕事を遅らせるのではなく、速くします。何を、どこで、いつまでに承認するのか、そして返事がなければどうなるのかがはっきりしていれば、クライアントは自分のブランドを自分で管理できていると感じ、エージェンシーは何週間も先まで計画を立てられます。承認がメッセージのやり取りから離れれば、摩擦のほとんどは消えていきます。
Shager なら、クライアントに承認リンクを送れます。クライアントはアカウント不要で、投稿を実際の見え方で確認し、1件ずつ承認したり修正を依頼したりできます。投稿は承認を待ってから各アカウントに配信され、誰がいつ何を承認したかの記録も残ります。


